使徒言行録

28章17節−30節

三日の後、パウロはおもだったユダヤ人たちを招いた。彼らが集まって来たとき、こう言った。「兄弟たち、わたしは、民に対しても先祖の慣習に対しても、背くようなことは何一つしていないのに、エルサレムで囚人としてローマ人の手に引き渡されてしまいまし…

28章1−16節

1 わたしたちが助かったとき、この島がマルタと呼ばれていることが分かった。2 島の住民は大変親切にしてくれた。降る雨と寒さをしのぐためにたき火をたいて、わたしたち一同をもてなしてくれたのである。3 パウロが一束の枯れ枝を集めて火にくべると、一…

27章27−44節

27 十四日目の夜になったとき、わたしたちはアドリア海を漂流していた。真夜中ごろ船員たちは、どこかの陸地に近づいているように感じた。28 そこで、水の深さを測ってみると、二十オルギィアあることが分かった。もう少し進んでまた測ってみると、十五…

27章1−26節

1 わたしたちがイタリアへ向かって船出することに決まったとき、パウロと他の数名の囚人は、皇帝直属部隊の百人隊長ユリウスという者に引き渡された。2 わたしたちは、アジア州沿岸の各地に寄港することになっている、アドラミティオン港の船に乗って出港…

26章24−32節

24 パウロがこう弁明していると、フェストゥスは大声で言った。「パウロ、お前は頭がおかしい。学問のしすぎで、おかしくなったのだ。」25 パウロは言った。「フェストゥス閣下、わたしは頭がおかしいわけではありません。真実で理にかなったことを話し…

26章1−23節

1 アグリッパはパウロに、「お前は自分のことを話してよい」と言った。そこで、パウロは手を差し伸べて弁明した。2 「アグリッパ王よ、私がユダヤ人たちに訴えられていることすべてについて、今日、王の前で弁明させていただけるのは幸いであると思います…

25章6−12節

6 フェストゥスは、八日か十日ほど彼らの間で過ごしてから、カイサリアへ下り、翌日、裁判の席に着いて、パウロを引き出すように命令した。7 パウロが出廷すると、エルサレムから下って来たユダヤ人たちが彼を取り囲んで、重い罪状をあれこれ言い立てたが…

24章10−23節

10 総督が、発言するように合図したので、パウロは答弁した。「私は、閣下が多年この国民の裁判をつかさどる方であることを、存じ上げておりますので、私自身のことを喜んで弁明いたします。11 確かめていただけば分かることですが、私が礼拝のためエル…

23章12−35節

12 夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。13 このたくらみに加わった者は、四十人以上もいた。14 彼らは、祭司長たちや長老たちのところへ行って、こう言った。「わたしたちは、パウロを…

23章1−11節

1 そこで、パウロは最高法院の議員たちを見つめて言った。「兄弟たち、わたしは今日に至るまで、あくまでも良心に従って神の前で生きてきました。」2 すると、大祭司アナニアは、パウロの近くに立っていた者たちに、彼の口を打つように命じた。3 パウロは…

21章37節−22章21節

21章37 パウロは兵営の中に連れて行かれそうになったとき、「ひと言お話ししてもよいでしょうか」と千人隊長に言った。すると、千人隊長が尋ねた。「ギリシア語が話せるのか。38 それならお前は、最近反乱を起こし、四千人の暗殺者を引き連れて荒れ野…

21章27−40節

27 七日の期間が終わろうとしていたとき、アジア州から来たユダヤ人たちが神殿の境内でパウロを見つけ、全群衆を扇動して彼を捕らえ、28 こう叫んだ。「イスラエルの人たち、手伝ってくれ。この男は、民と律法とこの場所を無視することを、至るところで…

21章17−26節

17 わたしたちがエルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで迎えてくれた。18 翌日、パウロはわたしたちを連れてヤコブを訪ねたが、そこには長老が皆集まっていた。19 パウロは挨拶を済ませてから、自分の奉仕を通して神が異邦人の間で行われたことを、詳し…

21章1−16節

1 わたしたちは人々に別れを告げて船出し、コス島に直航した。翌日ロドス島に着き、そこからパタラに渡り、2 フェニキアに行く船を見つけたので、それに乗って出発した。3 やがてキプロス島が見えてきたが、それを左にして通り過ぎ、シリア州に向かって船…

20章17−38節

17 パウロはミレトスからエフェソに人をやって、教会の長老たちを呼び寄せた。18 長老たちが集まって来たとき、パウロはこう話した。「アジア州に来た最初の日以来、わたしがあなたがたと共にどのように過ごしてきたかは、よくご存じです。19 すなわち…

20章1ー16節

1 この騒動が収まった後、パウロは弟子たちを呼び集めて励まし、別れを告げてからマケドニア州へと出発した。2 そして、この地方を巡り歩き、言葉を尽くして人々を励ましながら、ギリシアに来て、3 そこで三か月を過ごした。パウロは、シリア州に向かって…

19章21−40節

21 このようなことがあった後、パウロは、マケドニア州とアカイア州を通りエルサレムに行こうと決心し、「わたしはそこへ行った後、ローマも見なくてはならない」と言った。22 そして、自分に仕えている者の中から、テモテとエラストの二人をマケドニア…

 19章11−20節

11 神は、パウロの手を通して目覚ましい奇跡を行われた。12 彼が身に着けていた手ぬぐいや前掛けを持って行って病人に当てると、病気はいやされ、悪霊どもも出て行くほどであった。13 ところが、各地を巡り歩くユダヤ人の祈祷師たちの中にも、悪霊ども…

18章24節−19章10節

18:24 さて、アレクサンドリア生まれのユダヤ人で、聖書に詳しいアポロという雄弁家が、エフェソに来た。25 彼は主の道を受け入れており、イエスのことについて熱心に語り、正確に教えていたが、ヨハネの洗礼しか知らなかった。26 このアポロが会堂…

18章12−23節

12 ガリオンがアカイア州の地方総督であったときのことである。ユダヤ人たちが一団となってパウロを襲い、法廷に引き立てて行って、13 「この男は、律法に違反するようなしかたで神をあがめるようにと、人々を唆しております」と言った。14 パウロが話…

 18章1−11節

1 その後、パウロはアテネを去ってコリントへ行った。2 ここで、ポントス州出身のアキラというユダヤ人とその妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が全ユダヤ人をローマから退去させるようにと命令したので、最近イタリアから来たのである。パウロは…

17章16−32節

16 パウロはアテネで二人を待っている間に、この町の至るところに偶像があるのを見て憤慨した。17 それで、会堂ではユダヤ人や神をあがめる人々と論じ、また、広場では居合わせた人々と毎日論じ合っていた。18 また、エピクロス派やストア派の幾人かの…

17章1−15節

1 パウロとシラスは、アンフィポリスとアポロニアを経てテサロニケに着いた。ここにはユダヤ人の会堂があった。2 パウロはいつものように、ユダヤ人の集まっているところへ入って行き、三回の安息日にわたって聖書を引用して論じ合い、3 「メシアは必ず苦…

16章16−40節

16 わたしたちは、祈りの場所に行く途中、占いの霊に取りつかれている女奴隷に出会った。この女は、占いをして主人たちに多くの利益を得させていた。17 彼女は、パウロやわたしたちの後ろについて来てこう叫ぶのであった。「この人たちは、いと高き神の…

 16章11−15節

11 わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、12 そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。13 安息日に町の門を出て、祈りの場所が…

 16章1−10節

1 パウロは、デルベにもリストラにも行った。そこに、信者のユダヤ婦人の子で、ギリシア人を父親に持つ、テモテという弟子がいた。2 彼は、リストラとイコニオンの兄弟の間で評判の良い人であった。3 パウロは、このテモテを一緒に連れて行きたかったので…

 15章22−41節

22 そこで、使徒たちと長老たちは、教会全体と共に、自分たちの中から人を選んで、パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに派遣することを決定した。選ばれたのは、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスで、兄弟たちの中で指導的な立場にいた人たちである…

 15章1−21節

1 ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。2 それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協…

 14章21−28節

21 二人はこの町で福音を告げ知らせ、多くの人を弟子にしてから、リストラ、イコニオン、アンティオキアへと引き返しながら、22 弟子たちを力づけ、「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」と言って、信仰に踏みとどまるよ…

 14章8−20節

8 リストラに、足の不自由な男が座っていた。生まれつき足が悪く、まだ一度も歩いたことがなかった。9 この人が、パウロの話すのを聞いていた。パウロは彼を見つめ、いやされるのにふさわしい信仰があるのを認め、10 「自分の足でまっすぐに立ちなさい」…