夜明け

 その後、ヤコブは兄エサウと再会するのですけれども、このエサウヤコブを赦して受け入れるという、実にほほえましい場面が出てきます。神様がヤコブを変えただけでなく更にエサウの憎しみをも変えて下さった。しかし{ヤコブが神様の祝福を重んじ強く願い求めた。だから神様に選ばれた}とは言えないのではないでしょうか。それは、そこにはヤコブが生まれる以前に神様の大きな恵みがあった。不義な者を選び、義として下さる憐れみ深い神、その神様の選びがあったのではないかと思います。人間的には罪だらけのヤコブを義とし、祝福して下さる神様であった。そして祝福の光によってヤコブの陰は消え光の内を歩む人となったのです。これがペヌエルを過ぎてヤコブが迎えた夜明けでした。暗い時間は過ぎ去り、今、光の中を歩むヤコブ−いえイスラエルになったのです。