バプテスマのヨハネ

 さて福音書の初めに登場するのは何とイエスではなく、道を整える者としての洗礼者ヨハネです。2節のカッコ内は旧約聖書の引用です(イザヤ書3章の他、マラキ書3章、出エジプト記23章)。洗礼者ヨハネバプテスマのヨハネ)は偉大な預言者の再来として現われました。なぜここに洗礼者ヨハネが登場しなければならなかったのでしょうか。それは、神との交わりの回復のために、どうしても必要なことがあったからです。彼の役目は人々を悔い改めに導くことでした。彼の声は荒野に響き渡り、人々の心の奥深くにある罪をえぐり出したのです。主の道をまっすぐにするというのは、まさに人々が神の福音を受け入れやすい状態を作ることに他なりません。今まで神のことに無関心だったり、自分の罪を考えたこともなかった人、この世の生活に十分満足していた人に飢え渇きを起こさせ、もっと素晴らしいお方を迎えられるように一人一人の魂を整えたのです。彼は罪の赦しの為、悔い改めの洗礼を授けていました。人々はヨハネのメッセージを聞く為に、ぞくぞくとやって来ました。ユダヤの全土、エルサレムの全住民が自分の場所を離れて彼のもとに集まってきたのです。