主の復活の証人としてのマグダラのマリア

 今日のヨハネ福音書は、主が十字架につけられ亡くなり、墓に葬られ、その後の週の初めの日(日曜日)の早朝、まだ暗い内に、マグダラのマリアが復活の主に出会った有名な出来事が記されています。ヨハネ福音書は特に主の復活の証人としてのマグダラのマリアの役割に強い関心を持ち、そこにスポットライトをあてています。この福音書によれば、主の十字架を見守っていたのはイエスの母マリアとその姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアでした。主の逮捕の時には男の弟子達はみな逃げ去り、対照的にこの女性達は十字架のもとにとどまり、主の最期を看取る役割を果たします。主が十字架につけられ息を引き取られた後、夕暮れになり安息日の開始が迫っていたので、ユダヤ人の願いによりその遺体は取り下げられました。「遺体を木に架けたまま夜を過ごしてはならない」(申命記21章)と規定があったからです。その後、遺体はユダヤの最高法院議員アリマタヤのヨセフが総督ピラトに引き取り方を願い、新しく造られた墓に納めました。これら一部始終を見守っていたのが女性達です。彼女達は安息日が明けるのを待って朝の暗い内から起きだして墓にやってきたのです。その目的は、香油のつぼを持って主の遺体をねんごろに葬ることにありました。他の福音書では女性は三人いますが、ヨハネ福音書はその中の一人、マグダラのマリアに注目しています。