墓で起こったこと

 墓のタイプの一つは崖っぷちの所に横穴を掘り、その中に寝台を置き、遺体を寝かせます。エルサレムには二千年前に遡る墓も残っていますが、その扉の入口には車輪のような大きな石が置いてあり、ころがして開けたり閉めたりします。私は試しに墓の石を押してみました。全く動きません。一人の力では動かない。福音書には石が転がしてあり墓は空であったと記されています。つまり主は復活されて墓を出られた。ところが、この光景を目の当たりにしたマリアも、そのことを聞いたペテロや他の弟子達も、墓が空であることの意味を理解しませんでした。つまり主が復活したということを理解し信じるに至っておりません。彼らが確認したことは、墓がからであること。主の遺体はもうなく、ぬけがらのように亜麻布がそこに残されている、ということだけでした。