マリア

 大工のヨセフと婚約中であったマリアは、社会においてはごく普通の、平凡な、目立たない女性の一人であったと思われます。このマリアに驚くべき出来事が起こりました。「受胎告知」として絵画でも有名な、天使ガブリエルの言葉がマリアに臨んだことです。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」。天使はマリアの胎内に命が宿ることを告げます。結婚していないマリアは、そんなことはあり得ないと答えますが、天使は「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」(35節)と語ります。さらに天使は、親族のエリサベトが老年ながら子供を宿していることを伝えて、「神に出来ないことは何一つない」と宣言します。マリアは答えます。「私は主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように。」