そばに

 今日の新約聖書には「そばに」という表現は合計5回でてきます。前半の「そばに」は、目的を表す前置詞が使われ、イエス様の新しい教えや癒しの業に救いを求めて来た人々の切実さが表されています。後半の「そばに」は、「彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。」とあるように、「共に」「一緒に」と言う意味で、飲む、食べる、祈る、笑う、泣く、住むなど人間の基本的な行動の動詞と一緒に使われる言葉です。この言葉は7節の「弟子たちと共に」でも使われています。イエス様が、神の国を広めるために、使徒や弟子たちと行動を共にし、交流し、愛していこうとされている恵みを読み取ることができます。又、たとえ話で比ゆ的に語られる民衆とは違い、使徒達は神の国の性質や働きについて直接的にイエス様から解き明かしを受け、学びを深めていくことができました。イエス様からそのように愛を受け、育くまれ、学んで、信仰者として一人立ちして外の世界に出され、福音を宣べ伝えられるようになり、同時にイエス様の力を分けていただいて、悪霊を追いだす力をいただくことが出来るようになりました。