総督フェリクス

 フェリクスは妻がユダヤ人であるということもあり(24節)、パウロを、キリスト者の指導者の一人であることを認めて、パウロの監禁中たびたびパウロを呼び出しては、イエス・キリストへの信仰についてパウロから聞きました。彼がパウロに対して抱いていた思いは、丁度ヘロデ王バプテスマのヨハネに対して抱いていたように、良心の呵責を持ちつつ、正しい言葉が聞けることへのパウロへの好意的な関心がありました(参照:マルコ6:20)。パウロはためらうことなく、正義について、節制について、又、来るべき神様の裁きについて話したので、彼はそのような時は恐れて話を打ち切りました。フェリクスはパウロの無実を知りながら、彼を軟禁状態のまま二年間も裁判を開きませんでした。それは、ユダヤ教指導者達から憎まれたくないこと、そして釈放金としてわいろを受けようとする下心があったからだと聖書は伝えています。