祭司の祈り

ヨハネ福音書の14章から16章にはイエス様が弟子達に語った「告別の説教」が記されていますが、今日の聖書は続いて祈られたイエス様の「祈り」です。この祈りは宗教改革時代以来「大祭司の祈り」と呼ばれます。それは、イエス様が「大祭司」のように、残される弟子達の為、さらにはイエス様を信じる全ての者の為にささげられた祈りだからです。

 イエス様は、弟子達を父なる神様に委ね、弟子達に完全な喜びを残していこうとされました。その喜びとは、弟子達がイエス様と結ばれていることを知り、イエス様は弟子達を父なる神様の所に連れて行って下さることを知ることにより与えられる喜びです。又、イエス様は、弟子達がこの世から憎しみを受けていることに対しても祈られました。弟子達はイエス様の言葉によって、この世から選び出された人達です。「この世」は自分の所属であった筈の弟子達を、神の国に属する者として奪い去られたゆえに、再び取り戻そうと働きかけます。イエス様は、弟子達が受ける苦痛、戦い、苦悩から解放されることではなく、悪いことから(サタンから)守られることを祈られました。