「ペトロが振り向くと」(20節)

エス様に赦されて更に主を愛するようになったペトロにとって、主と同じ道(=この世から否定され苦しみを受ける道)をたどるということは、感謝であり、後継者としての任務を果たす恵みの出来事です。普通の人にとっては苦しみ以外の何ものでもないことが、信仰者にとっては大きな恵みと受け取ることができるのです。イエス様から「私の羊を飼いなさい」と依頼されたことは、ペトロにとって喜びです!そして任務遂行の為には主の御言葉どおり、ただただ「イエス様に従う」だけでよいのです。
  

ところがペトロは「振り向き」ました。主が御言葉を下さったその直後、ペトロは別の人のことが気になってしまったのです。相手は自分よりも主から愛されていると思われる弟子でした。その人が自分と同じ「苦しみの道」を歩むのか、それとも苦しみを避けられるのかが気になったのです。神様の国の為に大事な役割を告げられたペトロが発した言葉は、神様のご計画でも与えられた役割への感謝でもなく、振り向いて目に入ってきた別の弟子について「主よ、この人はどうなるのでしょうか」との質問でした。  

ペトロは本当に、愚かで弱い私達人間の代表だと知らされます。神様の憐れみゆえに神の民として再び招かれながら、この世のことに気をとられています。私達も同じです。悔い改めて、神様に心を向けたいと思います。