生きる力を身につける

 最近耳にする言葉に「・・力」というのがあります。昔から学力、能力、体力、理解力、集中力、忍耐力など言われてきましたが、最近では「生活力」「人間力」「友達力」などと言われます。これは新しいカリキュラムのもとで、子供達に生きる力を身につけさせるということが全面に押し出された結果ではないかと思います。生きる力を身につける、といわれるようになったのは、それなりの理由があったからだと思います。
 今日、教育の世界では、いじめ、不登校、学級崩壊、社会体験や生活体験の衰退・減少、道徳観念の低下、家庭教育のあり方や学校との連携の問題、モンスター・ピアレント(monster parent)という言葉もこの頃あります。又受験準備教育の過熱化など、教師達も家庭の保護者達も本当に神経をすり減らしているというのが現実です。その上に、社会の急速な変化があります。情報機器の発達、情報の氾濫、目に見えないバーチャルな世界での人との結びつき、そこから起こってくるさまざまな問題、子供達が知らない間に被害者・あるいは加害者になるという事件など問題が山のようにあり、こういうことを毎日見聞きしているのが現実です。このような現実社会の中で、子供達が自分自身を見失うことなく流れに押しつぶされないでしっかりと立って前を向いて歩けるように、「問題は何か」ということを見てとり、それをしっかり受けとめ、主体的にかかわりながら、「どうやって自分は生きるべきかということを教える」「生きる力を身につけさせる」ということは,非常に意味があることです。