第四のこと

 洗礼を受けた中に魔術師シモンがおりました。ペトロとヨハネの按手によって聖霊が降るのを見たシモンは、「その力を下さい」とお金を差し出しました。シモンは、聖霊という神様からの賜物を、魔術の延長と考えて、人間の思い通りに使おうと考えたのです。彼の信仰と洗礼は本物でなかったことが明らかになりました。ペトロは彼に「この金は、お前と一緒に滅びてしまうが良い。」「お前には、まだ苦い胆汁があり、不義の縄目がからみついている」(口語訳)と厳しく叱責しました。「苦い胆汁」とは有毒な胆汁という意味で、毒を流す危険を持っているということです。「不義の縄目がからみつく」とは悪魔が人間を自分の勢力下に縛りつけておくことで、悪魔の道具になっているという意味です。
現代でも、占い、魔術、霊媒、迷信やたたりからのお祓い、お札やお守り等、多くの人間がそれに縛られています。しかしこれらは(シモンが退けられたように)私達の信仰とは決して共存し得ないものです。