ペテロに信仰告白をさせた方

 しかしこの信仰の告白を、ペテロは、この時、主イエスがどんな形で人類を救いながら、十字架と復活をどういう形で遂行するのか何も知らない状況でした。ペテロに限らず他の弟子達も、主の十字架と復活については何もまだ知りませんでした。ただ主イエスを神の子、救い主として、受け入れたのです。このペテロの告白に対する主イエスの対応、語りかけが、本日の聖書の中心となっています。主イエスは「バルヨナ・シモン(ヨナの子シモン=本来のペテロの名前)」と語りかけ、主イエスが救い主・キリストであり、世の終わりに再臨する神の子である、とペテロに教えたのは、「主イエスが誰であるか、ただ一人知っておられる神である」と語られています。主イエスは「ペテロ、おまえ自身が本当にこのような信仰告白をした」とは言っておりません。ただ一人知っておられる父なる神がこれを示したのだと言われています。これは私達にとって大変重要な言葉でしょう。この主イエスの言葉は、「誰も神の霊(聖霊)によらなければ、イエスは主であるとはいえない」(コリント12:3参照)と言ったパウロの言葉を想い起こさせます。全聖書、新約聖書全体がそういっているというふうにも思います。これは、主イエスの言葉をパウロを始め、弟子達がよく身にしみていたということでしょう。