はじめに   

 イエス様は多くの場合、いつも弟子達と一緒でした。しかしこの時は、一緒に舟には乗りませんでした。この直前にイエス様は、五千人の人達に食べ物を与えて、人々が満腹したという奇跡を行なわれています。この後、イエス様は弟子達を強いて舟に乗せて向こう岸に渡らせ、御自分は残り、群衆を解散させてから、祈るために一人山に登られました。 
舟に乗った弟子達は、まもなく逆風のために波に悩まされ、夜が明ける頃になってもまだ目的地に着けずにいました。長時間暗い中を、まだ半分しか進めず(マルコ福音書)、不安の中、皆、疲れ果てていたことでしょう。