「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」

 二つ目は、イエス様の、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」というお言葉です。ペトロは、イエス様への信仰があったにもかかわらず途中でおぼれかけました。強風に心が奪われた時、自分の危険も感じたのです。疑うとは、一つの状態ではなく二重の状態になっていることです。  
エス様のお言葉は絶対であり、『来なさい』と言って下さった以上、必ず行くことが出来ます。
あらゆる障害はイエス様が引き受けて下さいます。他のことに気を取られてすくんでしまう必要はありません。沈みかけてペトロは「主よ、助けて下さい」と叫びました。その叫びに、憐れみ深いイエス様はすぐに手をさしのべて下さいました。助けを求めるペトロの叫びの中に、イエス様だけに目を向けて願う、本来の信仰者の姿があります。困難が行く手を阻む時、思いがけない境遇に身を置くことになった時、自分自身と向き合い、戦わなければならなくなった時、この世の誘惑と戦う時、イエス様を「本当に、あなたは神の子です」と告白する私達は、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」との御声を聞くことによって、いつも前に進んでいくことが出来るのです。