はじめに

 「ナザレの人イエス」…イエス様は、生前このような呼び方をされることがありました。私達信仰者はイエス様のことを「イエス・キリスト」と呼びます。「キリスト」とは、「救い主であるイエス様」という意味です。私達が「イエス・キリスト」という時、それだけで「イエス様を救い主として受け入れる信仰」を表明しているのです。
約2000年前、イエス様は御言葉の素晴しい説き明かしや奇跡などを通して一般民衆の間では慕われていましたが、当時の権力者やユダヤ教有力者達にとっては認め難い存在でした。なぜなら彼らは、「心を見抜く神様」のことを知っていながら、イエス様の内側を探るより先にイエス様を外側から判断していたからです。彼らは、イエス様が「聖なる都・エルサレム」を中心とするユダヤ地方の出身者ではなく「ガリラヤ」という外れた地方の「ナザレ」という田舎村の出身であり、更に、「大工」という一般庶民階級出身であったことにつまずいたようです。しかし、「ナザレ」については旧約聖書預言者により、前もって知らされていたことをマタイ福音書は証ししています。