神殿税

 この後、イエス様の宣教の拠点であるカファウルナウムでの出来事が記され、ここからエルサレムへの十字架の道が始まります。一人の徴税人がペテロの所にやってきて「あなたたちの先生は神殿税を納めないのか」と質問します。これは「あなた達の先生はイスラエルの聖なる秩序に不忠実であるのか。律法を無視して聖なる共同体への参加に無頓着で、わずかばかりのお金を拒むのか。」という意地悪な質問です。
 神殿税は、当時全ての20歳以上のユダヤ人男子に課せられ、毎年、金額にして半シケル(二日分の賃金相当)を納めなければなりませんでした(出エジプト記30:13‐14参照)。納税時期にはパレスチナの町や村に告示が出され、アダルの月(2月−3月)15日になると徴税所が設けられました。