第一:ユダは欲得で裏切ったのか?

 「裏切り」とは、敵に内通して主人や味方にそむくこと(広辞苑)です。特にユダは、イエス・キリストという先生(主人)を祭司長・律法学者・長老に引き渡すということで、イエス・キリストを裏切ろうとしていました。マタ福音書や他の福音書を見ると、ユダは、イエス・キリストを銀貨30枚で売り渡したと記されています。ということは、ユダは銀貨30枚のお金欲しさにイエスを売り渡したのか?ということです。ヨハネ福音書によれば、ユダは盗人であって金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたと記されています。しかし、確かに盗人ではありましたが、銀貨30枚は当時の労働者が一か月働いて得られる金額に相当する額です。危険を犯してまで先生を売り渡して得ようとする金額としては、それほど多くはないと思われます。