悔い改めの時を逃したユダ

 イエス様から「裏切る者は神の裁きを担わなくてはならない」ことを言われた時、ユダはその恐ろしさの前で悔い改めることも出来たはずでした。しかし彼は心を頑(かたく)なにして、自分の秘密が暴露されることの方をより恐れました。彼は知らないふりをして「まさか私のことでは」と悲しんでみせ、裏切りをあたかも嫌っているかのように振る舞いました。このユダの言葉に対して、イエス様は「それはあなたの言ったことだ」と、ユダが自分の心の中にあることを明らかにした言葉として返答されました。教会で罪を語るのは、罪を赦して下さったお方がいることを伝える為です。すべての方が、罪の赦しを受けるように招かれています。招きに答えるとは、自分の中にある罪を認めて悔い改めることです。

 ユダは、イエス様の有罪の判決が下ったのを知って後悔して銀貨30枚を返しにいきますが、断られて首をつって死んだと27章に記されています。何とも悲惨な結末です。ユダは自分で自分をさばいたのです。人は自分をさばくことはできません。裁く方はただお一人神のみです。神様のなさることを人はしてはならないのです。ユダは悔い改めるべき時を失い、赦しをうける機会を逃しました。