26章1−13節

1 イエスはこれらの言葉をすべて語り終えると、弟子たちに言われた。

2 「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」

3 そのころ、祭司長たちや民の長老たちは、カイアファという大祭司の屋敷に集まり、

4 計略を用いてイエスを捕らえ、殺そうと相談した。

5 しかし彼らは、「民衆の中に騒ぎが起こるといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。

6 さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、

7 一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。

8 弟子たちはこれを見て、憤慨して言った。「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。

9 高く売って、貧しい人々に施すことができたのに。」

10 イエスはこれを知って言われた。「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。

11 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。

12 この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた。

13 はっきり言っておく。世界中どこでも、この福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」