律法学者

 6節にイエス様の反対勢力として「律法学者」が現れます。彼らはモーセが神様からいただいた十戒をはじめ、旧約聖書全体を詳しく知っていた人々、イスラエル民族の宗教生活全般を指導していた有力者階級の人達です。政治的にも最高議会で多くの議席を占める町の名士でもありました。律法学者たちは「あなたの罪は赦される」というイエス様の言葉に疑問を抱きます。「神のみが罪をお赦しになれるはず。この男は神を冒涜している・・」と。イエス様は、彼らの心の中を御自分の霊の力ですぐに知ったとあります(8節)。「神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されている」(ヘブライ4:13)のです。彼らは、「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。」とイエス様から問われた時点で神様から来る霊の力を悟るチャンスがありました。しかしイエス様を認めることは自分達の権威を失墜させることになると考えたのでしょう。彼らは自分達の地位を守ることが第一で、目の前で苦しむ人々の救いや、それを見て憐れまれる神様の思いは考えられないのでしょう。