教会の原型

 弟子達がまず第一にしたことは、エルサレムの宿泊していた家の二階に集まって心を合わせて熱心に祈ったことでした。誰もエルサレムから離れず、弟子になる以前の生活(職業)に戻ることもしませんでした。イエス様の言葉に従ったのです。13節には二階での祈りを共にした人達の名前があります。使徒言行録の著者は教会の始まりを丁寧に伝えることを使命としたのでしょう。ユダを除く11人の弟子達の名前があり、婦人達(ルカ福音書にはマグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリアなど。その他、たとえば11人の弟子の妻達も加わっていたとも考えられます)、そしてイエス様の母「マリア」、続いて「イエスの兄弟達」と記されます。聖書では肉親の「兄弟」と信仰上の「兄弟」と二通りの使い方をしていますが、ここではイエス様の肉親です。(福音書によれば、イエス様にはヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダという4人の弟と、姉妹が2人以上いました)。しかし生前、イエス様の兄弟はイエス様を信じていなかったという記述があり、又、悪いうわさを耳にして身内の者がイエス様を取り押さえにきたともありますので、その彼らがこの祈りに加えられていたとは彼らが変えられたということであり、素晴らしいことです。これらの人達が「心を合わせて熱心に祈っていた」(14節)のです。この姿こそ教会の原型といえるでしょう。