大きな賜物

 男が求めたものはささやかな施しでしたが、目を合わせて見つめた後に与えられたものは施しよりもっともっと大きな、彼にとって一番必要とする「命令」でした。「歩きなさい」という命令そのものが大きな賜物だったのです。ペトロが、イエス・キリストの全権をもって語り行動し、この男に「イエス・キリストの名によって」と言った時、男はイエス様に自分の意識を向け、自分の全信頼を置きました。右手を取ろうとするペトロに右手をゆだね、神様の力が自分の身に起ころうとすることに身をゆだねました。これが信仰の従順です。彼はいやされました。いやされた彼の喜びは、歩き回り踊ったりして神様を賛美し、二人と一緒に祈るために境内に入って行ったことに表わされています。