偽りの罪

 夫アナニアは妻サフィラと相談して、土地代金の一部を手元に残し、そのことを隠して、これが自分達の土地を売ったすべてですと偽りの報告に基づく献金をしました。代金の一部を手元に残しておけば、何かあった時に教会に頼らなくてもすむと考えたのか、あるいは、自由に使えるお金が欲しくなったのか、あるいは、信仰深い夫婦だ、愛も深いと称賛されたいという名誉欲に襲われたのかもしれません。
神に従おうとする者を罪へと引きずり込むサタンの力は強力です。彼はその誘惑と戦う必要がありました。しかし彼は戦うべき誘惑とは意識せず、自分のごまかしを信仰者の群れの中で通用させようとしたのです。教会は、神の霊でありイエス・キリストの霊である聖霊が満ちているところです。
私達は聖霊を通して神様のご臨在に触れ、神様の恵みをいただき、喜びや愛、救いの確信や交わりが生まれてきます。それに伴って私達は真理に立ち、光の中を歩むという使命も与えられています。教会の清さを保つには、不正をあばき偽りを明るみに引き出さなければなりません。ペトロが言っているように、アナニアは土地を手放す必要はありませんでした。売らなければいつまででも彼の所有であり続け、又売ったとしても、その代金はすべてアナニアのものでした。