迫害者パウロ

 パウロキリスト教徒迫害の道を選んだのは、彼が熱心で厳格なユダヤ教徒であったからです。パウロはこう述べています。「私はタルソスで生まれ、この都で育ち、ガマリエルのもとで先祖の律法について厳しい教育を受け、熱心に神に仕えていました。私は、この道(キリスト教)を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえしたのです。」(22:3)。 ガマリエルはユダヤ教の中でも特に厳格なファリサイ派の学者でした。彼らの関心事は、ユダヤ人の全生活の中に律法を完全に徹底させることでした。律法は「神を愛し、隣人を愛すること」との教えや、イエスこそメシア(救い主)であるとの信仰は異端であり、根絶すべきものでした。