良い羊飼いとは十字架で命を差し出されたイエス・キリスト

 新約聖書で「良い羊飼い」という比喩をもって伝えようとしたのは、実に、イエス・キリストの十字架でありました。十字架という出来事によって、自らの命を羊の為に差し出した羊飼いの姿が表わされています。「羊飼い」という比喩は、詩の世界の単なる文学的技法のように思われるかもしれません。しかし十字架の出来事によって、それは「神を信じる者」と「神」との関係を保証する歴史的な出来事となったのです。すなわち「イエス・キリストを信じる者とイエス・キリスト」との関係が、まさに「良い羊飼いと羊」の関係として表現されていたのです。私達はそれをこの聖書から学ぶのです。とするならば、私共にとって23編の最後「主の家に私は帰り、生涯そこにとどまるであろう。」の御言葉は、今日のキリスト者信仰告白でもあることを覚えたいと思います。