はじめに

 紀元前6世紀、バビロンの支配下からペルシャ支配下へと移った頃、ユダヤ人のモルデカイは、自分の娘として育ててきたエステルをペルシャ王の妃の候補者として王宮に送ります。エステルは王妃に選ばれますが、その後、王の高官ハマンがモルデカイに敵意を抱き、ユダヤ人を全滅させる為の法律を作成し王の許可をとります。この法律を知ったモルデカイは、エステルに、ユダヤ人の命を助けるために王に嘆願するように言付けます。しかしエステルは、王の召喚状がないのに出ていけば、王から金の杓(しゃく)を差し伸べられない限り殺されるという法律があることを伝えます。モルデカイはエステルを励まし、この時の為にエステルは王妃になったのだ、と手紙を書きます。