はじめに

 今週は復活節最後の週です。今日の聖書は、マグダラのマリアが弟子達に「復活」を告げた、その数時間後のことと思われます。弟子達はマリアの証言を信じることが出来ないまま、ユダヤ人を恐れて「家の戸に鍵をかけて」いました。彼らの心の内は、十字架刑という「刑罰」で殺された者の弟子というこの世の価値観の下で、(人生を賭けて従おうとした先生を裏切ってしまった自分への不信をも抱え)、希望を失い、隠れざるを得なかったのでしょう。その姿は、罪の世界に閉じ込められている人間の象徴のようでもあります。再びこの世に支配されつつあったのではないでしょうか。