はじめに

 パウロの三回目の、御言葉を伝え続けた伝道旅行が終り、エルサレムに到着したパウロ達一行は、同じ信仰の仲間達から喜んで迎えられました。翌日パウロは、同行した7人とルカ(使徒言行録の著者であり医者)と共に、当時エルサレム教会の指導者となっていたヤコブ(イエス様の兄弟)を訪問しました。エルサレム教会の長老達もそこに集まっていました。19節には、「パウロは挨拶を済ませてから、自分の奉仕を通して神が異邦人の間で行われたことを、詳しく説明した。」と記されています。おそらく18:23以下に記された、エフェソで出会った12人のキリスト者聖霊が降った出来事、ユダヤ人祈祷師達が、主イエスの名を語って悪霊を追い出そうとした時、悪霊につかれた男が祈祷師に飛びかかりひどい目に合わせた出来事、それによって主イエスの名が崇められるようになったこと、魔術師達が魔術の書物を焼き捨てたこと、更にはエフェソの銀細工人達がパウロを目の敵にして大集会を開いた中でパウロが守られたことなど報告したのでありましょう。ここで注目すべきは「神が・・行われたことを報告した」ということです。「わたしは○○をしてきました」ではなく、「神」がなさった報告です。ここにキリスト者の語る姿が描かれています。


 続いて報告を受ける側の反応にも注目したいと思います。「これを聞いて、人々は皆神を賛美し」(20節)です。キリスト者の集会は、語る者も聞く者も、神様を中心として、最終目的は神様を賛美することなのです。