救いのチャンスを無駄にしないためには

 このあと、アグリッパ王は席を立ち、パウロの話は終りました。王は、パウロの語る真理の世界(光の世界)から逃げて、再び暗闇の世界に帰ってゆきました。「あの男は、死刑や投獄に当たるようなことは何もしていない」と評論家のように語り、自分が救いのチャンスを逃したことに気づいていません。パウロの説教を聞きながら、彼は、闇の世界と光の世界について一瞬でも考えたことでしょう。今のままでよいのか、と自分の心に問うたかもしれません。しかし彼は自分の心の奥を、深く見つめることをやめて、神のもとに立ち帰り悔い改めにふさわしい新しい生き方を選ぶチャンスを逃してしまったのです。せっかく心に救いの種が蒔かれたのに、その種は、鳥に持っていかれ、跡形もなくなってしまいました(マタイ13:18)。


 私達は、大切な問いから逃げることなく、蒔かれた種が実を結ぶ土壌にしていただけるよう、救いの道を励んで歩みたいとねがうものです。