ある不幸な出来事

エス様に、ある出来事が報告されました。それはピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことでした。古代イスラエルでは、自分の罪に対する神様の怒りをなだめ、罪の赦しを得る為、又、神様に近づき、神様と交わる手段として動物の犠牲をささげる宗教的慣習がありました。旧約の預言者達は形式的な動物犠牲よりも精神的な悔い改めが大切であることを訴えましたが、バビロン捕囚以後、動物の犠牲を捧げることが礼拝の重要な要素となりました(牛・やぎ・羊など。貧しい人は鳩等)。

この事件のくわしいことはわかっていませんが、恐らく礼拝を捧げに来たあるガリラヤ人達がピラトの怒りにふれ、ピラトはこの人達を犠牲の動物と一緒に兵士達に切り殺させたようです。このようなことは、ユダヤ人社会にとって、特別にショックに感じられる出来事でした。