サドカイ派

サドカイ派は、ファリサイ派と共に、当時のユダヤ教の指導者グループを二分する勢力でした。
彼らは、エルサレム神殿で礼拝をささげることが神様に対する最大の信仰と考えていました。
当時首都エルサレムには「最高法院」があり、宗教と政治の権力が集中していました。サドカイ派の人々は、世襲で最高法院の議員になれる階層の人々で、イスラエル民族の中ではエリート中のエリート、いわば貴族のような人達と考えていいでしょう。
それでも彼らは宗教的価値を一番と考え、民族としての政治的独立は二の次に考えていました。そのため、ローマという異邦人の支配にも反抗せず、神殿礼拝が守れるならばローマに協力するという姿勢を持っていました。

サドカイ派はファイリサイ派と違い、見えない「霊」や「天使」の存在を信ぜず、又、「復活」もないと主張しました。現実主義に立ち、現実を軽視して未来に希望を抱かせるような復活を否定していたのです。彼らはイエス様に、律法(申命記25:5−10)を引き合いに出し、「もし復活があるなら、律法に従って「義兄弟婚」(子供がいないまま夫が死んだ妻は、夫の兄弟の妻になり、子孫を得る)をした女性は、復活時は誰の妻になるのか」と質問したのです。