ユダヤ人とサマリヤ人

今日の聖書は「イエス様とサマリヤの女」の前半部分です。イエス様は、ユダヤ地方で宣教活動をしておられましたが、ファリサイ派の人達との無用の論争を避ける為に、ユダヤを離れてガリラヤに向かわれました。

ユダヤからガリラヤに行く近道は、サマリヤを通る道でした(約三日の道のり)。しかしユダヤ人とサマリヤ人は犬猿の仲でした。祖先は同じイスラエル民族でありながら、王国が南北に分裂し歴史の違いもあって、北のサマリヤ人は異民族との混血がすすみ、信仰も異教徒の影響を受けて変質しました。一方、南のユダヤ人は、バビロン捕囚の生活を余儀なくされますが、混血を避け、信仰もエルサレム神殿への思いを貫き、ユダヤ人としての誇りをもって伝統を重んじ、信仰生活を歩み続けていました。ユダヤ人から見れば、サマリヤに住む人々はもう異邦人と同じで、軽蔑の対象でもあり口を聞くことはありませんでした。旅の時も、ユダヤ人はサマリヤを避けて、ヨルダン川を渡る迂回路(二倍かかる)を選ぶことも多かったようです。しかしイエス様と弟子達は、シカルというサマリヤの町に入られました。