サマリヤ人の女性

エス様は旅に疲れて、昔、族長ヤコブが掘ったという井戸の傍に座られました。時は暑いお昼、弟子達は食料を買いに出かけていました。そこにサマリヤ人の女性が井戸の水を汲みにやって来ました。ここで聖書は私達に驚くべき出来事を伝えます。


エス様がサマリヤ人の女性に声をかけた、しかも「水を飲ませて下さい」と頼んだという出来事です。当時おおやけでの男女間の会話も、ましてユダヤ人とサマリヤ人との会話もあり得ないことでした。女性は、相手が自分達を嫌い、軽蔑しているユダヤ人の男性と見て驚き「どうして私に頼むのですか」と聞き返します。女性は、目の前の水を求める旅人の、のどの渇きに目を向けず、これまでの民族間の敵対関係に目を向けて、「なぜ?」と聞き返しているのです。この女性の応答の中に、私達は人間の持つ「罪」を見ます。イエス様はご自分の疲れやのどの渇きを優先させず、この女性の「魂の渇き」を見抜かれて、女性をその渇きから救うことを優先されました。