福音が宣べ伝えられる所で

「福音が宣べ伝えられる所で香油の出来事が語られる」という「福音」とは、キリストご自身のことであり、キリストによって「私達人間の罪の赦し」と「死からの解放」と「永遠の生命」が与えられるということです。その福音が語られる所で、この香油の出来事が語られるということは、この行為は福音にかかわる行為であったということです。

まとめて申しますと、十字架の死と復活を遂げたキリストが「福音」です。そのキリストの死の直前、キリストの死の苦難を予感しながら、キリストが救い主であることに感謝をして、キリストに対する信頼を、香油を注いで表わしたマリアは、福音であるキリストを、そういう形で受け容れているわけです。キリストを信じる信仰、それが、このマリアにおいては、香油を注いで感謝をすることであったといってもいいのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、マリアの主イエスに香油をぬるという出来事は、マリアの、主イエスに対する信頼と溢れる感謝、キリストと実際に接した感謝、それらを含めたマリアの信仰をここで語っているように思います。


私共のキリストへの感謝、私共のキリストに対する信頼、そういうものを、マリアは、私共の模範として私共に示しているように思います。