はじめに

 ヨハネによる福音書は、11章から12章11節まで、ラザロとその姉妹マルタとマリアのことをくわしく語っています。彼らが住んでいたのは、エルサレムの南東約3キロ離れたベタニアという村でした。主イエスエルサレムに入城する前にも、その後でも、ラザロの家を訪ね、お世話になっていたように思われます。そのラザロについて、今読んでいただいた聖書にはこう記されています。「エスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせた(復活させた)ラザロがいた。イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。」(12:1−2)
 その時マリアが純粋で極めて高価なナルドの香油を一リトラ(約326グラム・大きめのコップ1杯位)持って来て、それを主イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐったのです。多量の香油であったのでしょう。ラザロの家は香油の香りで一杯になりました。