はじめに

日本キリスト教団では、11月の第一日曜日を「聖徒の日」と定め、先に召された信仰者の方々を記念し、礼拝をささげています。私達が告白する使徒信条の中に、「聖徒の交わりを信じる」とあります。教会は、「同じ信仰を告白する者の群れ」であり、「イエス・キリストを頭(かしら)とし、私達はキリストの体・肢体の一部」であると聖書は教えています。この教会において、信仰を与えられた者は、聖なる者(聖徒)とされています。

 使徒言行録によれば、「聖徒」達は主にある兄弟姉妹とされて共同生活をし、互いの持ち物を持ちより、必要に応じて分け合い、喜びとまごころをもって食事をし神を賛美していました(2章)。又使徒パウロは、貧しいエルサレム教会を援助するために、伝道旅行をしながら募金を集めました。現代の諸教会においても「聖徒の交わり」は豊かに継続されています。

 この「聖徒の交わり」は、今生きているキリスト者に限定されず、歴史的な時間と死をこえて、先に召された方々をも含んでいます。本日ここに写真を飾った方々は、「主の復活の証人」として生きたクリスチャンであり、この方々の存在があったからこそ、ご家族の方々が信仰を継承され、毎週の礼拝の恵みにあずかっていることを思い、神様に感謝するものです。   
 二年前に召された平野武夫兄は、入院される迄、羽黒台の御自宅から伝道所に通われ、私達と共に礼拝をささげられました。御自身の賜物である「塗装」の業を教会の為に喜んでささげて下さり、看板・壁・門・玄関の扉等を塗り変えて下さいました。教会墓地の草取りにも積極的に参加され、夏の暑い日々をお一人で墓地に通われたこともありました。武夫兄を思い起こすことによって、改めて、「奉仕」の姿勢、あるべき姿を示されます。