はじめに  

イスラエルの民は、神様が本当に自分達の救いの為に「エジプトからの脱出」の出来事を通して働いて下さったことを覚えて、「過越祭」を代々、祝ってきました。先祖の困難に思いを馳せ、神様の偉大な助けと導きを感謝し続けたのです。そして又、イエス様が、ご生涯最後の過越の食事を弟子達となさることは、イエス様ご自身も切望されていたことでした。
エス様が、最後の食事を弟子達となさることには二つの意味がありました。一つは、イエス様が、神様とイスラエル民族の間に交わした救いの約束を完成されること。もう一つは、神様とイスラエル民族との間に結んだ「民の律法の遵守と、神様の祝福」という契約が、人間の罪によって破られてしまった歴史の中で、契約を結び直されるということでした。