はじめに

 今朝は、コリントの教会のクリスチャンにあてたパウロの手紙から学びたいと思います。コリントの町は、東洋と西洋の中継地として栄え、経済・文化・宗教などギリシャと東方の思想が出会う場所でした。パウロが伝道した当時、東西南北の交通路の交差点という恵まれた地理的条件から世界の国際商業都市として繁栄しておりました。その一方で、宗教的、道徳的には堕落し、神殿娼婦と言われる人達が多数存在していたことが伝えられています。
パウロが伝道旅行中、コリントの町に滞在して教会の設立にかかわりましたが、この地を去った後、アポロやペトロも伝道しましたので、教会は成長を続けました。しかし教会内で、私はパウロ派、私はペトロ派、私はアポロ派などと分派に分かれるというような問題が起こりました。さらに、コリント教会の中にまで道徳的腐敗が入りこみ、不品行を行なう者がでてきたのです。コリントの教会に起こった諸問題に対して教会の責任を持つ人々は、パウロに助言を求める手紙を書き、パウロはその返事としてこのコリントの信徒への手紙を書きました。