キレネ人シモン

たまたまそこを通りかかった人が「キレネ人シモン」でした(キレネは今の北アフリカ)。過越祭のためかその他の理由か、エルサレムに来た目的は知る由もありませんが、シモンは人間的な見方からすれば偶然、主の十字架を肩代わりして負う役目を与えられたのです。しかしこれは、おそらく父なる神様のご計画の一端を顕著に表すものと見ることができるように思います。本来、主の十字架を共に負うのは弟子達のはずでした。ところが弟子達はイエス様の逮捕に恐れをなし、「死なねばならないとしたら共に死にます」と誓ったにもかかわらず逃げ去ってしまいました。予定されていた者(弟子達)ではなく、全く備えのなかった者(キレネ人シモン)が神様の特別な恵みにより十字架を負う大変重要な役目を果たすことになりました。