神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた

この垂れ幕は、神様の臨在を象徴する「契約の箱」が置かれている「至聖所」と祭司達が奉仕する「聖所」の間を仕切るものです。年に1度だけ、大祭司が垂れ幕を通って至聖所に入ることを許され、動物のいけにえを捧げて、イスラエルの人々の罪の贖いをしていました。イエス様の十字架の死によって、この垂れ幕が真っ二つに裂けたということは、ヘブライ書にあるように「エスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道を私達の為に開いて下さったのです。」(10:20)。それまでの動物の犠牲による「あがない」が終り、イエス様の犠牲こそが、神様と人間を再び結びつける役割をするという神様の新たな救いの御業の始まりと見ることができます。
 救い主イエス様の死という究極の悲しみは、神様から見捨てられるという絶望に陥ったように見えながら、実は、三日後の復活で、全く逆の、死への勝利となることを告げ知らされています。そして、主を信じる者なら誰でも救われて、神の国の民として招かれています。
受難節の期間、かつての罪を繰り返して再び闇の世界に戻ることがないように、聖霊の助けを祈り求めてまいりましょう。