救いのご計画

 多くの民族の中から神様はユダヤの民を「神の民」として選ばれ、人類に対する救いのご計画を預言者を通して明らかにされていました。救い主が与えられるという約束です。メシア(救い主)はエッサイの家系から出ると預言されておりました(エッサイはダビデ王の父)。ユダヤの人々は神の民(選民)でありながら、その歴史は悲惨でした。一時期非常に栄えた時代がありましたが(紀元前1000年前後にわたるサウル王・ダビデ王・ソロモン王の治世)、その繁栄は長続きせず、ソロモンの死後 国は分裂し、北(イスラエル)王国は紀元前8世紀にアッシリヤ帝国に滅ぼされ、南(ユダ)王国も紀元前6世紀にバビロニヤ帝国に滅ぼされ、以来、ペルシャギリシャ、ローマと常に外国の支配下におかれました。彼らは国を持てないまま、長い長い時代を苦しんで生きてきましたが、メシア待望の信仰が消えることはありませんでした。メシアを、この世的な地上での繁栄をもたらす王として待ち望む人々が多くいた中で、シメオンは違いました。