ザアカイの例(ルカ福音書19章)

 「今日、救いがこの家を訪れた。」(9節)。(「今日、救いがこの家に起こった」と訳すこともできる。)この言葉は、主イエスに向かってザアカイが示した態度を主イエスがご覧になって語った言葉です。

それはザアカイの「主よ、私は財産の半分を貧しい人々に施(ほどこ)します。又、誰かから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」という告白に対してでした。ザアカイは徴税人で、同胞のユダヤ人からローマの占領軍の為に税金を集める仕事をうけ負っていました。徴税人は家族の生活の為、税金を上乗せして集めていましたから、人々からは罪深い男と見られていました。その彼が「半分を貧しい人々に施します」と告白したのです。これは大変具体的な告白です。「新しい人になろうとする」「これまでと違った生活をしようとする」その力一杯のザアカイの生活の中で出来た、「新しい人になること」を決意している告白の言葉であるといえると思います。