40日間とペンテコステの出来事

 ペンテコステの日に起きた出来事とそれ迄の40日間の出来事との兼ね合いで考えてみたいと思います。聖書は大きく三つのことを集中して記録しています。第一は、「復活した,ということを弟子達に認識させる」ということに集中しています。たとえば、エマオに行く途上にあった弟子達二人が、イエス・キリストが十字架で死にそして復活したということを聞いたその道すがら、一人の人(復活したイエス・キリスト)が現われましたが、弟子の二人はイエス・キリストと認識することが出来ず、話の中でこんなことを言っています。「仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人達が言った通りで、あの方は見当たりませんでした」。それを聞いて、復活したイエス・キリストが、「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者達の言ったことすべてを信じられない者達」と嘆いたというのです。この二人の弟子達が「復活したイエス・キリストが実は自分達の横に立って話をしてくれたのだ」と認識出来たのはその日の夜に食事を共に囲んだ時、パンを裂いてもらった時でした(ルカ24:13−)。イエス・キリストが復活したということは弟子達にとってなかなか実感し難い出来事でした。死が終りではなく復活という出来事があるのだ、終末の出来事が先取りとしてこのイエス・キリストに起きた、ということを弟子達はなかなか理解することが出来なかったのでした。