取税人の頭(かしら)ザアカイ

 ザアカイはエリコの取税人の頭でした。税金を払う人達は自分達の税額を知ることはできませんでしたので、言われる通り払わねばならず、取税人達は何倍ものお金を納めさせていたのです。人をだまして自分達の利益を得ていたのです。彼らは民族としての仲間を裏切りローマ政府に協力する者でしたから「売国奴」「裏切り者」と呼ばれて心底嫌われていました。ファリサイ人(モーセの律法を厳格に守る人)達は、取税人や罪人(律法を守らない人との意味で社会からも孤立しユダヤ教の会堂からも追い出された人達)が自分の衣にふれることさえ汚れるといやがり避けました。ザアカイには家族もいたでしょう。使用人もいたでしょう。仲間もいたでしょう。しかし本当のところは現代の人に特徴であるという「疎外感」や「孤独」の中で苦しんでいました。お金の為に選んだ道でしたが、神様を無視し神様を切り捨てている状況の中で、ザアカイはイエス様の話を耳にしたのです。