女性の行為

 6節からは場面が変わり、イエス様がベタニア村のシモンの家に行かれた時のことが描かれます。一人の女性が極めて高価な香油の入った石膏(せっこう)のつぼをもって近寄り、食事の席についておられたイエス様の頭に香油をそそぎました。部屋中一杯に良い香りが拡がったことでしょう。これは油としても香水としても、又遺体に塗るのにも用いられたインド産のナルドの香油といわれ、約1年分の年収に匹敵するほどのものでした。この女性が、突然そのような行動に出た動機については何も書いてありません。おそらくこの女性はイエス様をとても尊敬し、慕い、イエス様を自分の出来る最上のおもてなしをもって迎えたいという一筋の思いから出た行為であったと思われます。