契約の締結

 司会者に読んでいただいた出エジプト記24章には、神様とモーセの間で執り行われた契約締結の場面が描かれています。民を代表してモーセだけが神様に近付き、契約の内容を聞き、民に聞かせ、民がそれらをすべて受け入れて守ることを約束します。そこでモーセは山のふもとに祭壇を築き、動物のいけにえを捧げます。この時、いけにえに伴う「血」が重要な役割を担います。血の半分は祭壇(目に見えない神様がそこにおられることを現す場所)に注がれます。モーセはここで書き記した契約の内容を民に読み聞かせ、それを聞いた民が「私達は主が語られたことをすべて行い、守ります。」と服従を誓った時、モーセは残りの半分の血を民にふりかけます。血が両者に振りかけられたことにより、契約は正式に締結されました。

 日本社会では双方がサインと印鑑を押し(時には割印や捨て印も)て、契約が成立しますが、神様とイスラエルの民の間でかわされる契約は血が重要な役割を果たしていました。又、十戒の前文(出20:2)のように、契約者の神ご自身がどのようなお方であるかが明らかにされています。