弟子の選び

 イエス様は、まず御言葉を宣言されましたが、次になさったことは、弟子の獲得でした。地上に基盤を立て、伝道するための礎となる人々を探し出すことでした。神様の御用の為に働くのであれば、イスラエル社会ではレビ族出身者ときまっていました。しかし、イエス様はそんな掟はお構いなしに、旅の途中の通りすがりにその場で働いている人に実に無造作に呼び掛けています。そして、呼び掛けられた二組の兄弟達も、すぐにすべてを捨てて従っています。私のように持ち物が多く未練がましい人間から見れば、彼らの行動はついつい、「本当?」と疑ってしまいます。シモンとアンデレという兄弟の家も、ゼベダイの子ヤコブヨハネの家もそれほど貧しいわけでもなく、特に後者のヤコブヨハネの家は雇い人もいるので、かなりの資産があったのでは?と言われています。でも、四人ともすぐにすべてを(家族も財産も)捨てて「わたしについてきなさい。」というイエス様の呼びかけに従ったのです。シモンとは弟子の筆頭となるペトロのことです。この4人は12使徒に選ばれていますし、その内三人(ペトロ、ヤコブヨハネ)は核になる弟子として、死んだ娘の蘇生(5:35-43)、山上の変容(9:2-13)、ゲッセマネの祈り(14:32-42)など、重要な場面にイエス様が三人だけ許して立ち合わせておられます。