シメオンの賛歌

 今日の聖書の29節から32節までは「シメオンの賛歌」と言われています。神様の約束通りイスラエル民族から救い主がお生まれになり、異邦人にまでも神様の真理が明らかになって広まっていくことへの喜びが歌われます。待降節では「ザカリアの預言(賛歌)」、「マリアの賛歌」を学び、本日「シメオンの賛歌」を学びますが、この3つの賛歌は旧約聖書預言者がずっと預言していた通り、救い主をこの世に送って下さった神様への感謝と喜びと希望を歌ったものとして知られています。主の救いのご計画が実際に果たされたことへの感謝と喜びの中で本当の平安が与えられ(縦のつながりの回復)、それが又、異民族へも広がっていくのだという確信に満ちた希望まで与えられる(横への広がり)。御子のご降誕と、その歩みによって、です。これこそが、神様がこの世の私達人間、悪い思いに捕われがちな人間をも愛して下さっているという福音、喜びの知らせです。この安堵感(安心感)で一日を締めくくり(カトリック教会では、一日の終りにシメオンの賛歌を歌う)、広がる希望を胸に眠りの床に就けることができるのは、深い意味で幸せなことです。更に進んで、シメオンが歌ったように人生の終わりに救いを確信して主の平安を与えられることは本当に幸いなことです。(29節)。