ルター「キリスト者の自由」

 「キリスト者の自由」の最初にでてくる「二つの言葉」は今日の聖書に非常に関連があるのではないかと思います。

1.「キリスト者は、すべての者の上に立つ自由な君主である」。

 キリスト者は神によってキリストを通して罪が赦され、罪から解放され、キリストの持っているすべての物が与えられ、すべてのものの上に立つ、すべての者から自由である者です。キリストと同じ自由が与えられているわけですから、まさにこれは「神の憐れみ」であります。ところがそれに続いて、そういう神の恵み、それは具体的に生活でどういう形で表れるかというと、

2.「キリスト者は、すべての者に奉仕する僕である」。

 これがキリスト者の実践です。「奉仕するしもべ」ということについてルターは「万人祭司」といいます。祭司とは人々に仕える人のことです。日々神に礼拝をささげながら人々に仕えていく、という役割をもっています。男であれ女であれ子供であれ、手工業者、農耕者、商人、すべての人が祭司であるといいます。教会の中の仕事をし、日常的には、家庭にあって職場にあってその場で神に奉仕する。これが万人祭司です。このルターの「万人祭司」という考え方を、ここにあてはめて理解することができるのではないでしょうか。